子どもたちが魔法使いの男により暗い洋館に閉じこめられている。わたしときょうだいの女の子がひとり、それ以外にも子どもが何人かいる。魔法使いは粗暴で、彼のきょうだいは魔法によって全身の皮膚が爛れ、上の歯がすべて失われている。ある日、機嫌のよかった魔法使いは縄を持ちだし、子どもたちに握らせ庭の散歩をはじめた。縄の後端を持ったわたしときょうだいの女の子は逃げだした。男は気づいて追いかけてくる。わたしたちは小さな穴がふたつあるマンホールの蓋を開けて下水道に逃げこんだ。下水道は入りくんでおり、狭い通路に身を丸くして隠れるが、わたしはいずれ見つかってしまうと思っている。しかし男はわたしたちを見つけることができずに帰っていく。
次にわたしたちは魔法使いの弟子になっていた。魔法使いは女性のねずみで、彼女に言わせると男の魔法使いとしての格はとても低い。下水道で男がわたしたちを見つけられなかったのも魔法によるものだが、それはねずみではなく、下水道の全体を膜のように覆っている緑色のスライムのものだと知る。