230110

 わたしは出戻りのボクサーになっている。復帰初戦を控えて意気軒高で、腿上げをしながら夜明けとともにジムに到着し、トレーナーを唸らせる(腿上げの回数は1,200回を超えているが、途中でタクシーに乗っている)。ロードワークを兼ね、トレーナーが日本一と評するスポーツドクターのもとへ向かう。頭にきのこのような瘤がふたつある小柄な老人男性だった。一方でわたしの両肩と右胸脇には杭が刺さっている。男性はわたしをうつ伏せにして、身の丈ほどの石槌を振るって右胸脇の杭を5回打ちこんだ。